海外メディアの報道によると、現地時間5月15日、米国カリフォルニア州サンディエゴ市オテイメサにあるゲートウェイエネルギー貯蔵工場で火災が発生した。消防士が基本的に火災を鎮圧するまでに1日以上かかったが、その後も工場のバッテリーが何度も再点火した。
5月21日の海外メディアの報道によると、エネルギー貯蔵施設は6日間燃え続けているが、消防当局は火災がいつまで続くかをまだ正確に見積もっていない。
サンディエゴ消防救助局の司令官で代替エネルギーの緊急コーディネーターであるロバート・レゼンデ氏は、歴史的には、この破壊の連鎖がまるでドミノ効果のように長期間続くのが一般的だったと述べた。
カリフォルニア州消防局サンディエゴ分署の隊長ブレント・パスクア氏も、「専門家と話したところ、過去に同様の事件が数件発生しており、それぞれが7日から数週間続いており、我々も確信が持てない」と述べた。私たちは最悪のシナリオに備えており、ここに2～4週間の長期滞在してから再評価するつもりだ。」
Battery Network は、2023 年 6 月、米国ニューヨーク州ワーウィックにある 2 つのリチウムイオン エネルギー貯蔵ステーションが嵐の最中に火災が発生し、それが 1 週間以上続いたことに気づきました。
2023年10月、米国アイダホ州メルバ近郊のアイダホパワー変電所のエネルギー貯蔵施設で火災が発生し、少なくとも8つの独立したユニットバッテリーが火災を引き起こした。火災は数日間続いた。
ゲートウェイエネルギー貯蔵発電所の設備容量は250MW/250MWhであると報告されている。2020年8月に、230MWの容量を持つプロジェクトの第1フェーズが運転開始され、当時世界最大のエネルギー貯蔵プロジェクトとなった。このプロジェクトは、4時間で250MWまで拡張し、1000MWhのエネルギー貯蔵システムを形成することも計画している。
ゲートウェイエネルギー貯蔵発電所は、米国のエネルギー会社 LS Power によって運営されており、NEC ES はエネルギー貯蔵システム統合ソリューションを提供し、LG Chem は三元系リチウム電池であるバッテリーセルを提供しています。
なお、同プロジェクトのエネルギー貯蔵インテグレーターであるNEC ESが、プロジェクトの第1フェーズが開始される前に破産を発表し、エネルギー貯蔵事業から撤退したとの報道があることは言及に値する。
さらに、ちょうど1か月前（4月27日）には、ドイツのニルモアの商業地区にあるリチウム電池のエネルギー貯蔵コンテナから火災が発生し、救助活動中に消防士2名が負傷した。
関連メディアの報道によると、今回爆発した蓄電池システムのメーカーはドイツのINTILION社で、電池セルはリン酸鉄リチウム電池。
4 月 16 日、カリフォルニアの蓄電池は、世界の電力システムで初めて、夕方のピーク時間帯におけるカリフォルニアの電力網の最大の単一電力源となりました。電源の調整におけるエネルギー貯蔵の役割は、カリフォルニアの電力市場におけるピークとバレーの電力価格の大きな差に起因しており、エネルギー貯蔵に莫大な利益の可能性をもたらしています。
「圧倒的な富と繁栄」から「天から降ってくる災害」まで、1か月以内に2つの大規模エネルギー貯蔵発電所が相次いで火災に見舞われた。1 兆ドル規模のレース場であるエネルギー貯蔵の安全性の問題を無視することはできません。
CATL の首席研究員である Wu Kai 氏は、かつて率直にこう述べました。人命と財産の安全、および電力システム運用の安全の両方に関わる重要なインフラ産業として、エネルギー貯蔵の試行錯誤のコストは非常に高いです。まずはスピードを追求し、次に品質を追求するという従来のやり方ではだめです。私たちは、エネルギー貯蔵産業の信頼性が高く、持続可能で、高品質な発展を最初から堅持しなければなりません。
公開情報によると、安全性の問題は常に、数兆ドル規模のエネルギー貯蔵開発を制限する主要な問題点の 1 つでした。リチウム電池は現在最も一般的に使用されているエネルギー貯蔵技術の1つですが、リチウム電池の電解質は主に有機溶媒であり、製造中にセパレータを損傷しやすい塵などの不純物が必然的に若干含まれます。このプロセスでは熱暴走が起こりやすく、内部ショートを引き起こし、火災、電池の爆発、環境汚染、エネルギー供給の停止などの一連の問題を引き起こします。
材料の観点から見ると、三元電池の正極材料は一般に遷移金属酸化物です。正極が分解すると、酸素が放出されます。酸素の作用下では電解液が反応しやすく、リン酸鉄リチウム材料と比べてバッテリーの熱暴走のリスクが高まります。
初期の頃、日本と韓国の電池会社は主に三元電池を使用していましたが、中国の電池会社は主に比較的安全なリン酸鉄リチウム電池を使用していました。三元電池エネルギー貯蔵火災などの安全事故が頻繁に発生しているため、リン酸鉄リチウム電池を使用する日本と韓国の企業が増えています。
出荷量で見ると、中国の蓄電池出荷量が世界に占める割合は9割を超えている。研究機関EVTank、アイビー経済研究所、中国電池産業研究院が共同発表した「中国エネルギー貯蔵産業発展白書（2024年）」によると、エネルギー貯蔵電池の世界出荷量は2023年に224.2GWhに達した。 、前年同期比40.7％増加しました。このうち、中国企業の蓄電池出荷量は203.8GWhで、世界の蓄電池出荷量の90.9％を占めた。
国家エネルギー局の別のデータも、2023年末現在、全国で稼働中の新しいエネルギー貯蔵システムの設置容量が3,139万キロワットに達していることを示している。このうち、2023年の新エネルギー貯蔵設備の新設容量は約2,260万キロワットと、前年の合計の2.6倍となる。今年第1四半期末の時点で、中国で建設・運用開始された新エネルギー貯蔵プロジェクトの累積設置容量は3,530万キロワット/7,768万キロワット時に達し、これは中国と比較して210%以上増加している。 2023 年の第 1 四半期の終わり。
新しいタイプのエネルギー貯蔵には、リチウム電池、フロー電池、フライホイール、圧縮空気、水素（アンモニア）エネルギー貯蔵、熱（冷）エネルギー貯蔵などのさまざまな技術が含まれますが、現時点では依然としてリチウム電池が主流です。
したがって、エネルギー貯蔵産業が急速に発展する一方で、中国は産業安全保障も非常に重視している。
2023年7月、国家基準「電気化学エネルギー貯蔵発電所の安全規則」の施行が開始された。エネルギー貯蔵の安全性に関するこの新しい国家基準は、リチウムイオン電池、鉛酸（カーボン）電池、フロー電池、水電解水素/燃料電池エネルギー貯蔵発電所に適用されます。この規格は、電気化学エネルギー貯蔵発電所のエネルギー貯蔵電池、BMS、PCS、監視、防火、暖房換気および空調システム、プレハブなどのさまざまな機器の安全技術要件、操作、保守、検査、試験、およびその他の側面を規定しています。キャビンなど
2023年11月、国家エネルギー局総合局は、送電網の発電側にある電気化学エネルギー貯蔵発電所の安全運転リスク監視の強化に関する通知を発行し、早期に運転リスクの監視と分析の能力を強化することを提案した。警告。電力会社は、電気化学エネルギー貯蔵発電所のバッテリーパック、バッテリー管理システム (BMS)、エネルギー管理システム (EMS)、エネルギー貯蔵コンバーター (PCS)、防火システム、ネットワークセキュリティ、動作環境、および自社企業が投資および運営するその他の重要な電気設備。彼らは定期的に安全運用状況を分析し、運用リスクの警告と緊急対応を強化し、安全上の危険がある機器やシステムに対して適時に警告し、安全上の危険を排除するための効果的な措置を講じることができる必要があります。すべての電力会社は2024年12月31日までに監視能力構築を完了する必要があり、2025年以降は新規および既存の電気化学エネルギー貯蔵発電所すべてが監視対象に含まれる必要がある。
一方で、安全性の問題に加え、蓄電池分野における価格競争も拡大を続けている。2023年下半期以降、蓄電池の価格は繰り返し新安値を更新しており、多くの企業が0.4元/Whを下回る価格の蓄電池を提供している。
5月14日、中国石油集団吉柴発電有限公司は5MWh液冷エネルギー貯蔵システムの電気部品の枠組み契約の入札公告を発表した。このプロジェクトの電池セルにはリン酸鉄リチウム電池が使用されており、上限価格は 0.33 元/Wh です。2月末の吉柴電力のエネルギー貯蔵プロジェクトの入札では、電池セルの制限価格は0.45元/Whだった。
最近、Yiwei Lithium Energy は投資家との対話の際、顧客はエネルギー貯蔵電池製品をいくつかの側面から検討すると述べました。まず、ブランド。2つ目は、製品性能や安全性能などの製品品質です。3つ目はアフター保証です。一方では企業のアフターサービス能力を考慮し、他方では企業が長期持続可能な発展能力を持っているかどうかを考慮します。エネルギー貯蔵製品のライフサイクルは長く、エネルギー貯蔵電池を製造する企業は、製品のライフサイクルが長い場合にのみアフターサポートを提供できます。最後の次元は製品価格です。
投稿日時: 2024 年 6 月 1 日